工業委員会・茅野市精密工業連合会は合同で韓国工業視察を行いました

当所工業委員会(岡本猛委員長)と茅野市精密工業連合会(深井孝彦会長)は共催事業として、11月10日~13日に韓国工業視察を行い、今井茅野市長、金子茅野商工会議所会頭を含む25社34名が参加した。今回の主な視察先として、茅野市に工場を構える㈱SIMMTECH GRAPHICSのグループ本社である韓国清州市(チョンジュ)市のシムテック社を選定した。韓国初日はジェトロソウル事務所(日本貿易振興機構)を訪れ、前川直行所長より韓国の概要や経済動向、韓国へ進出した日系企業の現状について話を伺った。韓国の国土面積は日本の約1/4、人口は現在5,124万人であるが、2021年に人口は減少傾向に転じ、低い出生率と今後迎える高齢化社会が大きな課題となっている。 昨今の経済状況は輸出が半導体、自動車、石油製品、輸入が原油、半導体、天然ガスが最も多い。2023年の実質GDP成長率は1.4%、消費者物価上昇率は3.6%増となっている。韓国進出日系企業の2023年業績は8割以上が黒字であり、他のアジア・オセアニア進出日系企業全体と比較しても平均を大きく上回っている。

企業視察はソウル市から約100キロ離れた清州市(人口約80万人)に移動し、シムテック社を訪れた。同社は1987年に韓国忠清北道清州市で設立。2023年の売上は約1兆418億ウォン(約9,376億円)で従業員数は約6,000名。韓国には清州本社工場とR&Dセンターを構える他、海外には日本茅野工場、中国西安工場、マレーシアペナン工場がある。設立以来半導体用PCBの開発と量産を行っており、主な製品はDRAMなどのメモリチップを拡張させるモジュールPCBと、各種半導体チップを組み立てる際に使用するサブストレート基板などがある。特にメモリモジュールPCB、DRAMパッケージ用のBOC基板とETS(パターン埋め込み型基板)は世界シェアトップを誇る。
視察ではCEOの金(キム)代表を含む6名の幹部から会社概要や現在展開している事業について説明を受けた。最新鋭の工場についても社員の方から製造工程の解説を受けながら見学を行った。視察後、今井市長、金子会頭らは清州市庁舎を訪問し、イ・ボクソク清州市長、チャ・テファン清州商工会議所会頭、シムテック社キム・ヨング代表らと会談を行い親睦を深めた。訪問の様子は大田日報(デジョンイルボ)やCJB(清州放送)などの現地メディアでも取り上げられた。

また同日、清州市内で開催した交流会では金代表ら幹部と視察参加者は互いに交流を深め情報交換を行った。翌日はサムスン本社近くのサムスンフラッグシックストア「サムスンカンナム」などを見学した。今回の視察では、茅野市と関係の深いシムテック社との繋がりから韓国清州市との交流・親睦を図りながら、茅野市企業における今後の経営活動に繋がる有意義な視察となった。